インデックス・ウォッチャー

市況をゆるゆると眺めながら、インデックス投資をコアとしたコツコツ資産形成を記録していきます。

新・インデックスファンド低コスト御三家【三井住友AM/ニッセイAM/DIAM】のファンドを比較

 お久しぶりです。また仕事の状況が激しくなりましてしばらくご無沙汰をしていました。
 その間にインデックス投資界隈ではインデックスファンドのコスト革命が続いており、

  • 三井住友AMのDC専用ファンド楽天証券にて一般向けに販売開始
  • ニッセイAMの<購入・換金手数料なし>シリーズが信託報酬を引下げ
  • DIAMが「たわらノーロード」シリーズを発表

と、超・低コストのインデックスファンドが急速にそろいつつあります
 そろそろ年末ですので、来年の積立投資ファンドを変更するかどうかを考えるためにこれらのファンドをいろいろな視点で比較してみようと思います。
 なお、以下のデータは投稿日現在のものとなっておりますのでご了承ください。

信託報酬

信託報酬(税抜、%) 三井住友 ニッセイ DIAM
日本債券 0.16 0.15 0.15
先進国債 0.21 0.20 0.20
日本株式(TOPIX) - 0.29 -
日本株式(日経225) - 0.25 0.195
日本株式(JPX日経400) - 0.31 -
先進国株式 - 0.24 0.225
先進国+新興国株式 0.25 - -
新興国株式 0.56 - -
日本REIT - 0.335 0.30
先進国REIT - 0.45*1 0.35

※太字は各資産クラスの最安値(比較可能なファンドがある場合のみ)

 超・低コストファンドで先行しようとした三井住友AMに対し、ニッセイAMが追随し、最後発のDIAMが戦略的な価格を提示してきたという構図です。結果、DIAMが設定予定のファンドはすべて最安値ということになっています。

直近決算における実コスト

実コスト(税込、%) 三井住友 ニッセイ DIAM
日本債券 0.176 N/A N/A
先進国債 0.265 0.502*2 N/A
日本株式(TOPIX) - N/A -
日本株式(日経225) - 0.277 N/A
日本株式(JPX日経400) - N/A -
先進国株式 - 0.532*3 N/A
先進国+新興国株式 0.381 - -
新興国株式 0.967 - -
日本REIT - 0.372 N/A
先進国REIT - 0.820 N/A

 最近設定されたファンドが多く、ニッセイは信託報酬下げの影響が織り込まれていないため実コストでの比較は今のところ困難です。

ファンド資産額

資産額(億円) 三井住友 ニッセイ DIAM
日本債券 427.9 19.7 N/A
先進国債 512.3 31.6 N/A
日本株式(TOPIX) - 23.1 -
日本株式(日経225) - 205.4 1.0
日本株式(JPX日経400) - 8.8 -
先進国株式 - 193.9 N/A
先進国+新興国株式 7.7 - -
新興国株式 1.3 - -
日本REIT - 78.9 N/A
先進国REIT - 33.1 N/A

※太字は各資産クラスの最大値(比較可能なファンドがある場合のみ)

 設定からの日数や、DC専用ファンドという特性上三井住友AMの債券クラスはかなり資産額が大きくなっています。ニッセイの日経225クラスもDC兼用です。

直近決算におけるマザーファンド資産額

資産額(億円) 三井住友 ニッセイ DIAM
日本債券 1259.1 348.1 4225.0
先進国債 730.5 75.8 3458.4
日本株式(TOPIX) - 428.3 -
日本株式(日経225) - 1194.5 35.0
日本株式(JPX日経400) - 235.1 -
先進国株式 - 439.3 3192.0
先進国+新興国株式 2117.6/1.7 - -
新興国株式 1.7 - -
日本REIT - 243.6 293.2
先進国REIT - 40.3 269.4

※太字は各資産クラスの最大値(比較可能なファンドがある場合のみ)

 設定から日が浅いファンドであっても、インデックスファンドの場合ファミリーファンド形式の場合が多く、マザーファンドの状況が参考となります。
 マザーファンドの資産額については、日経225を除いてDIAMが強いです。このスケールが「たわらノーロード」シリーズの信託報酬の源泉の1つとなっているような気がします。
 ただ、三井住友AMの新興国株式クラス以外は特に注意を要する水準ではないと感じます。

直近決算におけるマザーファンド年間トラッキングエラー

年間トラッキングエラー(%) 三井住友 ニッセイ DIAM
日本債券 0.0 -0.1 0.0
先進国債 +0.2 -0.1 -0.1
日本株式(TOPIX) - +0.1 -
日本株式(日経225) - +2.1(配当なし基準) +1.8(配当なし基準)
日本株式(JPX日経400) - N/A -
先進国株式 - -0.2(配当なし基準) -0.3
先進国+新興国株式 -0.1/-1.6 - -
新興国株式 -1.6 - -
日本REIT - -0.1 -0.2
先進国REIT - -0.1(配当なし基準) -0.7

※「配当込み」と明示されていないものはすべて配当なし基準とみなす

 トラッキングエラーについても、三井住友AMの新興国株式クラスでマイナス乖離が大きいですが、それ以外はものすごく大きいということはないかと思います。
 日経225は「配当込み指数」が存在しないのか、ここに掲載した以外でも配当なし基準となっているものばかりでした。
 ニッセイの先進国株式と先進国REITはトラッキングエラーの値をみると本当に配当なし基準で運用がイマイチなのか、実は明記していないだけで配当込み規準となっているのか微妙なところですが、ひとまず報告書等では配当込みと確認できませんでした。

来年の積立ファンド方針

 ここまで見てきましたが、まだ運用開始していないもののDIAMの「たわらノーロード」シリーズにおける運用上の不安面は特にないようです。強いて挙げれば突然の途中償還リスクあたりでしょうか。
 というわけで、今のところ来年積立投資を行うファンドは年末時点で最も低コストなものを選択しようかと思っています。もしかするとまたニッセイAMなどがDIAMに対抗姿勢を示すかもしれませんので。

*1:新興国REITクラスを含みますが、比率がわずかのため先進国REITクラスとして取り扱います。以降の比較でも同様です。

*2:信託報酬0.38%[税抜]時の参考値

*3:信託報酬0.39%[税抜]時の参考値