インデックス・ウォッチャー

市況をゆるゆると眺めながら、インデックス投資をコアとしたコツコツ資産形成を記録していきます。

Russell/Nomura ファンダメンタル・プライム・インデックスについて調べてみた

 日経新聞より、記事を引用します。

 野村アセットマネジメントは3月下旬、「好業績」の日本企業の株価に値動きが連動する上場投資信託ETF)を東京証券取引所に上場する。売上高やキャッシュフロー(現金収支)などの金額をベースに約560社を選出。保険会社などの機関投資家に販売するほか、少額投資非課税制度(NISA)を通じて個人マネーの取り込みを狙う。

 今年から資本効率を重視した銘柄で構成する「JPX日経インデックス400」も算出が始まった。業績を物差しにした投資・銘柄選びの傾向が一段と強まりそうだ。

(野村アセット、新ETF上場 好業績560銘柄で運用 :日本経済新聞)

 こんな話が出てくるということは、1月設定のJPX日経400連動ETF(1591)はそれなりに人気が出たのでしょうか。
 それはともかく、この記事にある新ETFが連動するインデックスはRussell/Nomura ファンダメンタル・プライム・インデックスというものです。本指数について、興味がわいたので調べてみました。

(2014/3/4追記)
 野村AMにリリース(PDF)が出ていました。本ETFの名称は「NEXT FUNDS R/Nファンダメンタル・インデックス上場投信(銘柄コード: 1598)」、信託報酬は税抜0.30%とだいぶ強気の設定です。


 指数ウエイト計算について、詳細説明資料(PDF)がありますのでそれを見てみると、次の要素で組み入れを行うそうです。

  1. Russell/Nomura Total Marketインデックス(日本全上場株式の時価総額98%をカバー、JASDAQ等含む)内銘柄を母集団とする
  2. 以下の3点(原則過去5年分の平均)について、それぞれ母集団の全銘柄に対する個別銘柄のウエイトを計算
    1. 売上
    2. 営業キャッシュフロー
    3. 配当金
  3. 計算した3つのウエイトを平均した合成ウエイトに浮動株比率を掛け、全体を100%としたものがRussell/Nomura ファンダメンタル・インデックス(親インデックス)における個別銘柄のウエイト
  4. 上記親インデックスにおけるウエイトから、流動性が低い銘柄、ウエイトが0.02%未満の銘柄を除外し、全体を100%としたものがRussell/Nomura ファンダメンタル・プライム・インデックスにおける個別銘柄のウエイト

 この結果として、現在こちらの562銘柄が含まれているとのこと。東証1部銘柄が558、東証2部銘柄は2(日本精機、三谷商事)、JASDAQ銘柄は2(日本マクドナルドホールディングス第一興商)。JPX日経400よりも東証1部に偏っています。

 パフォーマンスとしてはファクトシートTOPIXとの比較がされています。算出を開始した2000年12月以降のトータルリターン(年率換算)は5.9%と、TOPIXの2.8%に対して倍程度。標準偏差はどちらも18.3%程度ということです。
 ではJPX日経400との差はどうでしょうか。JPX日経400は今年から算出の始まった新しい指数ですが、遡及して算出された値がありますのでそれと比較します。ついでにTOPIXも比較対象とします。
 まずは、2006年8月を100とした時の月次データです。

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 次に、2011年1月4日を100とした時の日次データです。

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 いかがでしょうか。以前JPX日経400を紹介したときの記事にも書きましたが、今のところJPX日経400は下げ相場でTOPIXとトントン、横ばい~上げ相場で強いという印象を私は持っていますが、Russell/Nomura ファンダメンタル・プライム・インデックスはリーマンショック時の下げがやや小さかったようです。2009~2012年の横ばい時はややイマイチなパフォーマンスですが、2013年は一気に盛り返してきたように見えます。つまり、横ばい相場でTOPIXとトントン、上げ・下げ相場で強い指数という印象を持ちました。

 ここまでわりとしっかり本インデックスについて調べてみましたが、これに連動するETFのコストがどうなるかは今のところ不明ですし、マイナーな指数ということもあり出来高等が少ない可能性も大いにあります。実際に取引を検討される際にはご注意ください。
 とはいえ、国内ETFが活性化してくれることは大いに望むところです。魅力的なコストで、個性的なインデックスに連動するETFが増え、簡単に多様な投資ができるようになる日が来ることを祈るばかりです。