ブラックロック、ETFシリーズ「iシェアーズ」4銘柄を東証に上場
モーニングスターの記事を引用します。
ブラックロック・ジャパンは13日、米国上場ETF(上場投資信託)4銘柄を12月5日に東証に上場すると発表した。これにより東証に上場するブラックロックのETFシリーズ「iシェアーズ」は合計8銘柄となる。
(ブラックロック、12月5日にETF4本を東証上場―海外投資身近に、NISAでも注目)
というわけで、JDR方式で東証への上場をすすめるブラックロックが新たに4本のETFを上場するようです。
- iシェアーズ 米国超大型株ETF(1587/OEF)
- 連動指数: S&P 100
- 経費率:0.20%
- iシェアーズ 米国小型株ETF(1588/IWM)
- 連動指数: ラッセル2000指数
- 経費率:0.24%
- iシェアーズ 米国高配当株ETF(1589/HDV)
- 連動指数: モーニングスター配当フォーカス指数
- 経費率:0.40%
- iシェアーズ 米国リート・不動産株ETF(1590/IYR)
- 連動指数: ダウ・ジョーンズ米国不動産指数
- 経費率:0.46%
いずれも12月5日(木)より上場予定となっています。
全て米国関係のETFですが、私の注目は「iシェアーズ 米国高配当株ETF」です。先般米国籍ETFとして日本国内で購入できるようになった「バンガード・米国高配当株式ETF(VYM、FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス連動、経費率0.10%)」とあわせ、米国高配当株式への投資が容易になってきています。……こうしてみると改めてバンガードの経費率の小ささは激しいものがあります。
連動を目指す指数も異なっているので、米国Yahoo! Financeで比較してみました。
青: HDV
赤: VYM
緑: ダウ平均
茶: NASDAQ指数
黄緑: S&P 500
(iShares High Dividend ETF ETF Chart - Yahoo! Finance)
投資対象が米国株であることには変わりないはずですが、VYM/ダウ/NASDAQ/S&P500がともに高い連動性を持っているのに対してHDVは連動性の小さい、おもしろい動きをしています。HDVの特徴としては
(ETF(上場投資信託) iシェアーズ -iShares®-)
とのことです。銘柄分散はそれほどでもありませんが、紹介ページに掲載されている直近8年間のインデックスの動きを見るとリーマンショック時にS&P500などをアウトパフォームしている指数のようです。
東証ETFというと、新規上場後しばらくはかなりのプレミアム(高値方向の基準価格からの乖離)がついてしまうことが多いです。乖離自体は、東証上場のETFが全体的に(米国等に比べ)取引高が小さいという課題もあり多少は許容せざるを得ませんが、上場直後のETFはバイ・アンド・ホールドされる傾向にあり(パッシブ型ETFの場合は特に)供給がマーケットメイカーからのものに限られがちなためと考えています。
同じくiシェアーズシリーズで、一足先(2013年7月17日)に東証上場している銘柄の乖離率を調べると
- iS先進国株 (1581): +0.64%
- iSエマージング株(1582): +0.36%
- iSフロンティア株(1583): +2.01%
(国内ETFの「基準価額と市場価格の乖離」(2013年10月末時点) - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記))
とのことで、いまだにプラス乖離が続いています。特に1583! フロンティア株式に投資できる数少ない選択肢なだけに適正価格を維持してもらいたいものです。
今回の4銘柄もしばらくはこのような状況となると思いますが、米国への投資をお考え、かつ外国株・ETFには手を出しづらいという方には今回の上場は朗報かと思います。
どうかETFが東証でもっともっと活発に取引されるようになりますように!