インデックス・ウォッチャー

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企業型確定拠出年金、10月より拠出限度額引き上げ。ただし、限度額を使い切れない場合も!

 このブログでも何回か取り上げていた企業型確定拠出年金の拠出限度額引き上げについてですが、正式に今年10月から

  • 他の企業年金等がない場合: 月額51,000円 ⇒ 月額55,000円
  • 他の企業年金等がある場合: 月額25,500円 ⇒ 月額27,500円

となるよう法令が改定されました(参考:厚生労働省サイト)。最大で年額48,000円の拠出増が可能になります。

 ただし、これにあわせて企業が実際に拠出する額も増えるという会社は多くなく、退職金としての支給額が拠出限度額を超えていて、現状現金等で差額を支給しているような場合に限られるでしょう。ではこの限度額引き上げ分はどうやって使うのか?


 その答えは、マッチング拠出として個人が積み増すことになると思います。そのとき、「マッチング拠出額は企業拠出額と同額まで」という制限がありますのでご注意ください。
 例えば、他の企業年金等がなく(新拠出限度月額55,000円)、他の企業拠出額が月額10,000円の場合、マッチング拠出額の上限は月額10,000円です。このような場合今回の引き上げは意味がない状態になります。

 厚生労働省のまとめている企業型年金の運用実態についてによると、2014年5月末現在で4,454件ある規約ごとに定められている最高掛金を平均した値は年額283,530円(月額23,627円)、最低掛金の平均値は年額56,240円(月額4,686円)です。他の企業年金等がなく、企業拠出額がこの程度の場合は拠出限度額までマッチング拠出を行うのは難しいということになります。

 企業型のみ拠出限度額が引き上げられているのは前述の退職金支給額に対して拠出限度額が不足する場合を念頭に置いていると思われることや、個人型との兼ね合いもあって難しいかもしれませんが、このマッチング拠出額制限、撤廃もしくは緩和をお願いしたいところです。